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THE BLUE HEARTS 40th Anniversary Collection

1985年結成、今年で40周年を迎えるTHE BLUE HEARTS

バンドのアニバーサリーにあたり

デビュー当初より4人を撮影してきた

有賀幹夫氏とglambがタッグ

THE BLUE HEARTSがまた聴こえてくる

3つのアイテムを発表

Model : Remi, Eru Aoba
Photograph : Yuko Takakai
Hair & Make : sarara
THE BLUE HEARTS「THE BLUE HEARTS」Tri-M/meldac

UPDATE 2025.05.09

アーティストからのコラボレーション記念コメント到着

  • TAKUMA (10-FEET)
  • 山田将司 (THE BACK HORN)
  • crowzet (加藤慎一 from フジファブリック)
  • 石原慎也 (Saucy Dog)
  • ヤマトパンクス (PK shampoo)

Item Line Up

GB0325/BH01

THE BLUE HEARTS
Open Collar Shirt

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PRICE: ¥22,000(tax in)

SIZE: XS, S, M, L

COLOR: BLUE, BLACK

DELIVERY: 7

デビュー当時からTHE BLUE HEARTSを撮影してきた有賀幹夫氏が保管する貴重なアーカイブフォトを総柄に組み上げたオープンカラーシャツが登場。ライブフォトやバックステージショットの数々をコラージュした総柄は、躍動感に溢れたブラシ使いによって当時の熱気をそのまま閉じ込めたかの刹那的で音を感じさせる仕上がり。それをヴィンテージシャツの定番であるレーヨン生地にプリントし、『ラブレター』のMVでメンバー全員が着用するなどTHE BLUE HEARTSにもゆかりあるアロハシャツへと仕立てました。

GB0325/BH02

THE BLUE HEARTS
Collage T-Shirt

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PRICE: ¥8,250(tax in)

SIZE: XS, S, M, L, XL

COLOR: WHITE, BLACK

DELIVERY: 7

デビュー当時からTHE BLUE HEARTSに同行してバンドの撮影を行った有賀幹夫のアーカイブフォトを1枚のフォトプリントに仕上げたTシャツが登場。フロントプリントに四分割でコラージュされたのは有賀幹夫氏が1987年から1989年にかけて撮影した4人のライブフォト。ダイナミックな構図がモノクロの描写の中に熱狂を湛えます。左裾にあしらわれたのはTHE BLUE HEARTSのロゴを織り上げたネームタグ。左端から内側を覗き込むと隠し柄があしらわれています。

GB0325/BH03

THE BLUE HEARTS
Gold Print T-Shirt

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PRICE: ¥8,250(tax in)

SIZE: XS, S, M, L, XL

COLOR: WHITE, BLACK

DELIVERY: 7

デビュー当時からTHE BLUE HEARTSに同行してバンドの撮影を行った有賀幹夫が保管するTHE BLUE HEARTSのアーカイブフォトを格調あるゴールドプリントで仕上げたTシャツが登場。プリントに使用されたのは1987年9月に日比谷公園野外音楽堂で撮影されたライブフォト。アンティーク調の色目は日本画などにも用いられる金泥という顔料を用いて表現したものとなっています。Collage T-Shirt同様、左裾にはロゴネームを使用。隠し柄があしらわれています。

Detail

Tシャツのネームタグは内側に隠し柄が

THE BLUE HEARTSのバンドロゴである同時に、1stアルバム『THE BLUE HEARTS』のジャケットでもあるボーダーロゴ。今回、Tシャツにあしらわれたタグは四方のうち左辺が縫製されておらず、サイドから内側を覗き見ることが可能。そこには1stアルバムのCDラベルを模った柄が隠されています。思いを込めてCDを取り出してTHE BLUE HEARTSを聴いたことを思い出し、また再びその音楽を聴きたくなる。そのきっかけになったらとあしらったディテールです。

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Comment

TAKUMA (10-FEET)
中学生の頃『はいすくーる落書』というテレビドラマの主題歌でTRAIN-TRAINが流れ「なんだこれは!?」と心を揺さぶられたのを覚えています。
激しいのに優しい
寂しいに強い
明るいのに切ない
そんな相反する要素が入り混じって纏まらないまま突き刺さってくる。
「なんだこれは!?」
と当時は中学生だったためこんな風に言語化する事が出来ず自他にも上手く説明が出来なかったですが、今思えばそんな衝撃だったんだと思います。
それまで聴いていた音楽は
激しいビートに激しい歌詞
切ない旋律に切ない歌詞
が普通だった自分に突然浴びせられた未確認飛行物体でした。
生卵でもゆで卵でもなく半熟卵ぶつけられたらリアクション困ると思うんですけどそんな「めちゃくちゃビックリしてるけどどうしたらええねん!とりあえずもう一回ぶつけてくれ!」という混乱を伴う程の魅了と衝撃であり、青春の稲妻でした。
glamb×有賀幹夫さんのTHE BLUE HEARTSコラボレーションは、アイルトンセナがガンダムに乗ってる! ガンダムが手にしてる武器はよく見たらロトの剣やんか! それぐらいパンチありました。愛と昂りを感じずにいられません。
出来立てのシャツが既にビンテージでクラシックなオーラを放っており、生地やプリントが数年経って劣化してくたびれて、なんなら破れたりしてもその分カッコ良くなってしまうであろう不老不死の様な青い魔力を秘めた衣が私を魅了してきます。サイズ大きめで袖長めに当時の召し上がり方でジャパニーズパンクロック80s'を纏いたいと思います。
山田将司 (THE BACK HORN)
学校の先生より説得力のある言葉で、言葉にできない悶々とした感情に寄り添ってくれた。自分の事が分からず逃げ出しそうになっていたあの頃、衝動的な演奏でぶん殴ってくれて背中を押してくれた。THE BLUE HEARTSの存在に大感謝です。
当たり前だけどTHE BLUE HEARTSがステージに立ったらTHE BLUE HEARTSでしかなくて、そのライブ写真がデザインされた服もTHE BLUE HEARTSでしかない。強すぎる。Tシャツのタグの中に1stアルバムの盤の柄が隠されているの最高。粋すぎる。
演奏した瞬間の音が音楽になって、その音楽を聴いた瞬間以降の人生が幾つもの瞬間を救う支えになって。瞬間を捉えた写真は、あの時の音や感情まで何よりも速く思い出させてくれる。いつでも感覚のアーカイブにアクセスできる。変わらず最高ですね。そんなモノをいつでも身につけていられるなんて最高の極み。素晴らしいコラボレーションありがとうございます。
crowzet (加藤慎一 from フジファブリック)
これは何かの縁なのかな、と思う事がありました。というのもこのコメントを依頼いただく数日前に「TOO MUCH PAIN」が頭の中で鳴っていたんです。別に何かの感情が、とか考察云々では無く自然と浮かんできただけなのですが、初めて聴いてから30年以上経っても頭の中で響くのは自分の中の血肉になっているのだなと痛感しております。
THE BLUE HEARTSには沢山の初めてを教えてもらいました。仲間とバンドをやる楽しさ、CDの歌詞やクレジットを読むこと、ベースってあんなに高くぶん投げられるんだな、とか。
まだまだ沢山言いたい書きたいはあるのですが語彙、文章では追いつかない魅力やワクワクがあるこのバンドに思春期の時に出会えた自分は幸せであります。
ワクワクと言えば今回の商品はどれも素晴らしいですね!
瞬間を切り取っていますが歌や音はそこにあるなと。そしてタグの下に隠すCDはこれから再生しようと取り出す時を思い出させてくれますし、まだその行為をした事のない方々へのメッセージにもなっているなと。
過去現在未来へ繋がるコラボがとても素敵であります!
石原慎也 (Saucy Dog)
中学三年生の時、僕にはどうしても行きたい高校がありました。全く勉強が出来なかった僕は、学年でも下から1、2位を争うほど馬鹿で、もちろん先生からは「絶対に無理だ」と言われていました。
受験前に友達から借りた『THE BLUE HEARTS SUPER BEST』を聴きながらヤケクソで勉強をしていると、「チェインギャング」が流れてきて、冒頭の「僕の話を聞いてくれ 笑いとばしてもいいから」という歌詞に心を掴まれ、自然と涙が出てきました。
その時はまだバンドにそれほど興味があった訳でも無かったのですが、初めて「俺も人の心を動かす事がしたい」と思いバンドをする事を決め、今に至ります。
THE BLUE HEARTSは僕の原点です。
glambの衣装はいつも購入していますが、今回は何処か特別に感じます。最高なコラボ僕も嬉しいです! たくさんの人に届きますように。
ヤマトパンクス (PK shampoo)
私事であり同時にまったくの偶然だが、この数ヶ月間、僕は自分のアルバムの制作に取り掛かっており、その過程においてふと迷いが生じるたび、ある種の方位磁針のようにTHE BLUE HEARTSを聴き返していた。
ブルーハーツ、あえて直訳するなら“青い心”。色んな意味が汲み取れそう(実際、あまりイメージを限定しないネーミングを意識したと聞いたことがある)なバンド名だが、もし僕なりの解釈をまさか一言に許されるなら、ブルーハーツとは、“何かに対してドキドキする心”のことを指すのではないかと思う。
「そうだ、音楽ってドキドキしなきゃいけないんだった!」────名曲の数々を聴き返しながら、自分はまたこんな初歩的なことを忘れてしまっていたのかと顔が赤くなる。
今回、glambと有賀幹夫氏の手によって制作された数点のアイテムたちはそれぞれがその気持ちを思い出すに十分な臨場感を持っているように思う。ままならぬことに、大人になるにつれてドキドキのハードルは上がっていくばかりだ。挑戦ばかりじゃ疲れるし、踏襲ばかりじゃバカになる。心はいつでもイメージとバランス。あとはいつだって明日に期待すること。服も音楽もきっと同じ。ブルーハーツ、忘れたくない。
有賀幹夫

Interview

フォトグラファー

有賀幹夫

1960年生まれ、東京都出身。1980年代半ばよりアーティストの撮影を始める。日本人で唯一のザ・ローリング・ストーンズのオフィシャルフォトグラファー。計6回の来日公演撮影に関与する。日本ではRCサクセション、浅川マキ、THE BLUE HEARTS、THE YELLOW MONKEYなどを撮影。THE BLUE HEARTSとは彼らのデビュー年となる1987年からライブフォトやジャケット関連の撮影を手掛け、その関係はTHE HIGH-LOWSや真島昌利のソロまで及ぶ。現在も新進気鋭のロックンロールバンド、暴動クラブのオフィシャルフォトを担当するなど第一線での活動を続ける。

有賀幹夫が語るザ・ブルーハーツ。数年後に
ザ・ローリング・ストーンズ公式フォトグラファーとなる
若き日の有賀が4人のロクデナシから得たものとは。

Interview
glamb寺本優太(以下T):はじめにブルーハーツとの出会いをお聞かせください。
有賀幹夫(以下A:):87年、セカンドアルバムの『YOUNG AND PRETTY』が出る時に、雑誌の取材で初めてメンバーの写真を撮影しました。その写真を気に入ってくださって、もともとメインで撮ってらっしゃる方がいましたが、その人のサブ的な立ち位置でスタッフに加わりました。
T:当時の有賀さんのキャリアはどういった状況だったのでしょうか。
A:86年から88年ごろにかけては、RCサクセションを撮影できるようになり、同時期に浅川マキさんに気に入られて、ブルーハーツのツアーへの同行もあり、すごく重要な経験をさせてもらった時期ですね。
T:ブルーハーツのツアーは全公演に同行することもあったのですか。
A:全公演ではないけど四国を一緒に回ったり、地方へ一緒に同行してライブのあと打ち上げでみんなでボウリングに行ったりとか、そういうのも同行させてもらって楽しかったですね。
T:その後、バンドが解散するまで定期的に撮り続けていたんですか。
A:そうですね。ただ90年にローリング・ストーンズのオフィシャルフォトグラファーになり、92年から93年にかけてもニューヨークに行ったりしていたので、ツアーに同行していたのは90年以前が中心ですね。
T:ただその後もマーシーさんのソロや、THE HIGH-LOWSのジャケット関連の撮影もされているんですよね。
A:そうですね。マーシーのソロ4作やTHE HIGH-LOWS もファーストアルバムなど3作を撮影させていただきました。
T:被写体としてブルーハーツを見たときに、どんな個性を感じますか。
A:ブルーハーツに関しては、僕自身が大人として撮ってないから、うまく言語化して発言ができないんですよね。
T:では逆に、ブルーハーツを撮るときに有賀さんご自身が意識していたことはあるのでしょうか。
A:「楽しくやろうよ」かな。ブルーハーツは今ではフロントマンであるヒロトとマーシーのイメージが強いと思うんですけど、当時を知っている方や僕の目からすると、4人がわちゃわちゃ、仲良くっていうイメージでした。そういう4人のバランスを大事にして写真を撮らせていただいていた意識はあるかな。
T:ライブフォトは公演中ずっとシャッターを切るのではなく、自分の撮りたいタイミングを待って撮影されると思います。ブルーハーツのライブで、有賀さんが狙うのはどんなタイミングだったのでしょうか。
A:河ちゃんはジャンプですね。曲のリズムチェンジの時のジャンプです。今は何の曲だったか思い出せないけど、この曲はここで飛ぶというのがキメとしてありました。梶くんはもう、最初から最後まで必死にがむしゃらにっていうのが梶くんですよね。
T:マーシーさんのシャッターチャンスはどんなタイミングですか。
A:マーシーはどこでも格好いいもんな。ヒロトもそうだよね。
T:今回のコラボレーションでは3型のアイテムを通して多数の写真を使用しています。特に気に入っている写真はありますか。
A:セレクトも含めみんないいと思うけれど、代々木公園で撮影した4人の写真が一番気に入っていますね。最初に撮ったブルーハーツなので。
T:この写真からすべてが始まったのですね。バンドとの関係が深まるのにはどんな理由があったのでしょうか。
A:同世代というのが一つ。それと当時、カメラマンに「ロック大好きです」っていうちょっとバカで若い人間はそんなにいなかったと思います。だから、他の写真家では出てこないような、パンクネタとかロックネタを言って、それをキャッチボールして撮っていたイメージです。決め写真の時に「イーターみたいな写真撮ります」とか言って皆を笑わせたり。
T:音楽好きと音楽好きの交わり、眩しく感じます。僕も今回コラボレーションのデザインチェックで河さんと梶さんが一緒にいるところに同席させてもらったのですが、今でもお二人はずっとロックの話をされていました。ヒロトさんやマーシーさんも、当時から今までずっと変わらずにロックの話をなさっているのでしょうね。
A:そうです。ずっとロックの話ばかりでした。
T:有賀さんはブルーハーツの音楽をはじめて聴いて、どんな感覚を受けたのでしょうか。
A:もう突き抜けていた、とにかく。初見の観客でも、ステージから最初の何列に届かせられるバンドはたくさんいたけれど、ブルーハーツは会場の一番後ろ、すさまじいところまで突き抜けて届くというイメージで。あれをやられたら参るしかないです。それに衣装も特別でした。Tシャツに穴開きジーンズというのは今でこそスタイルになっているけど、87年当時にその恰好でステージに立つバンドがいなかった。他のバンドは着飾って、髪の毛を立ててというのが流行りでした。ボーカルが坊主頭で、ボロボロの服で歌うというのは、本当になかったので。
T:ビジュアルの面でも時代にインパクトをもたらす存在だったんですね。
A:格好つけない格好よさというか。格好いい人たちが敢えて格好悪い風貌でやろうとする格好よさというか。
T:自分もロクデナシになりたいと思わせる、強烈な格好よさを感じます。
A:オリジナルパンクスもロックスターのそれまでの価値観をひっくり返したところから始まってる。ジョニー・ロットンがパフォーマーとして最も参考にしたのは『ノートルダムのせむし男』なんですよね。あれをやると周りの人は怖がるわけじゃないですか。そういう異物感。格好つけているやつの格好悪さを、パンクスがひっくり返したんです。ブルーハーツはそれでいて、ガンバレと歌うところが、本当に大発明だったと思います。

パンクスの
格好つけない格好よさが
格好つけているやつの
格好悪さをひっくり返した。

有賀幹夫がはじめて撮影したTHE BLUE HEARTS
有賀幹夫がはじめて撮影したTHE BLUE HEARTS
T:ブルーハーツは初期パンク的でありながら、90年代のグランジの先駆けでもあったのかもしれません。
A:そうですね。マーシーも最初は5万円ぐらいのギターでやってたんじゃないのかな。間違いかもしれないけど、機材に金かけてとかじゃないイメージで見ていました。そういうのが本当に格好いいとずっと思ってましたね。写真も仕事が充実すると高い機材に目が行ってしまいますが、そうじゃないんだと。彼らの哲学や生き方が衝撃というか、学んだというか。そして、あの歌詞の力強さ。だから当時の文化人、今で言うインフルエンサーたちも飛びついたんです。
T:ブルーハーツに対する社会の反響では、どんなことが印象に残っていますか。
A:音楽誌をすぐ飛び越えて、一般誌も「なんだこいつらは」と飛びついて、彼らのライブ写真を取り上げていました。『週刊文春』だったと思うけど、僕も一般誌用のライブフォトを撮影しました。サラリーマンが読むような雑誌にブルーハーツ。でも僕は「これがブルハだよな」って思った覚えがありますね。他のロックバンドが「武道館やりました」って言っても別に文春では取り上げないじゃないですか。
T:社会現象だったということですよね。
A:うん、本当にすごかった。こんなバンドに出会えて俺は本当幸せだって未だに思うし、当時も本当思ってたし、そんな感じですね。
T:2025年の今も、街歩いても、テレビをつけてもブルーハーツは聴こえてきます。社会現象は終わっていないと感じます。
A:本人たちの演奏じゃないけど、エレベーターミュージックでつい最近もブルーハーツを聴いたな。

「俺はブルーハーツの取り巻きの一人でしかない」、
その感覚がローリング・ストーンズの
オフィシャルフォトグラファーに向かう原動力でした。

T:ブルーハーツ現象を近くで見てきた有賀さんからすると、今そうやって彼らの音楽に出会ったときにどんな気持ちになるのですか。
A:でも、ほら、それって驚くことではないじゃないですか。これがブルハだって感じですよね。ただ僕自身のことになりますが、こんなにすごい人たちとの関わりの中、「俺はこれからどうする」という問いかけを突きつけられる感覚があったんです。彼らはすごい曲を作って演奏して、でも俺はその取り巻きの一人でしかない。それがローリング・ストーンズのオフィシャルフォトグラファーに向かう原動力になったと振り返って思うんです。
T:90年の初来日以降、地理的な問題も含めてブルーハーツからローリング・ストーンズのために活動の軸を動かさざるをえなかったこともあるかと思いますが、躊躇はありませんでしたか。
A:ないですね。だってやっぱり、ストーンズは写真を始めた時からの目標でしたから。
T:そういうことですね。
A:今回のコラボレーションについてもメンバーがOKしてくださったのは、僕がただの取り巻きで終わらなかったことをメンバーが認めてくれたからじゃないかなと感じて、僕は嬉しかったですね。
T:有賀さん自身もブルーハーツ現象のさなかにあったのですね。
A:誰もがブルーハーツの影響を受けているんじゃないかな。ここ数年ではアメリカのリンダ・リンダズが印象深いですね。隔世遺伝じゃないけど、今度はL.A.からフォロワーが出てきたのかという衝撃がありました。去年、L.A.でローリング・ストーンズのライブフォトを撮影したのですが、その時のオープニングアクトもリンダ・リンダズでした。ライブもすごく受けてましたからね。
T:グリーン・デイが出てきた時にもブルーハーツの影響が噂されましたが、それ以上の影響ですもんね。
A:日本のバンドから曲名を取ったバンドがローリング・ストーンズとライブをやっているということが、本当に痛快というか。
T:40年近く前からバンドに関わってきた有賀さんからすると、なおさらですよね。
A:寺本さんの話も聞きたいところですけれどね。やっぱりこの企画は、僕の中ではストーンズをきっかけにglambさんと付き合いができて、寺本さんがいて、それで寺本さんがブルーハーツが本当に好きだというところから僕自身も実現させたいと取り組んできたので。
T:それは間違いありません。僕からすると、有賀さんにとってのストーンズがブルーハーツなので。
A:それすごいよな。Tシャツのタグの裏にCDがあるという仕掛けも本当におもしろいと思いました。
T:ブルーハーツのCDをケースから取り出して、プレイヤーに乗せたところから今の自分が始まってると感じるんです。そして同じような物語を皆さんが持っていると思います。今回のコラボレーションにあたり、皆さんにも初めてブルーハーツのCDを取り出した時のことを思い出してほしく、盤面の使用許諾をレーベルからいただいて実現したデザインです。
A:リンダ・リンダズとかも含めて、皆ががんばっている今の時代にこれを作るのは絶対意味がある。僕も歳を取ったけど、時代における空気感や必要性は、すごく考えますよね。
T:SNSが生活の中心になり、ブルーハーツのような人たちが生まれにくい時代なのかもしれませんね。飾らないでいることが構造的に難しくなっていると思います。
A:こうして話していて、ブルーハーツの格好つけない格好良さが自分の人生にどれだけ影響を及ぼしてきたか、改めて知りましたよね。ブルーハーツについて普段はもう語ることもないし、改めて語るのも、という気持ちもあります。でも語ると、どれだけ自分が。本当に感謝しかないです。それは本当に、薄っぺらな気持ちじゃない感謝の気持ち。
T:ブルーハーツのメンバーも有賀さんもずっとロックの話をしている人たちですよね。ロック少年であることが原点にあって、そこがずっと変わってないからなんでしょうね、きっと。
A:そうかもしれない。だってこれほどの話題はないでしょ。
T:「異物」というキーワードが頭に残っているのですが、有賀さんが撮ってきた方々は、みんな異物のような方々ですね。忌野清志郎さんに始まり。
A:浅川マキさんもそうだよね。
T:吉井和哉さんも異物ですよね。
A:そうです。中道じゃ面白くないじゃないですか。でも僕自身は普通の青年でしたけどね。変わった人に見られたいみたいな願望もなかったですしね。
T:でも本当の異物性というのは外側ではなく内側にあるものだと思います。
A:そうかもしれないですね。
T:今回のコラボレーションアイテムもデザインとして明らかにパンクで尖っているというよりは、着る人の内側にあるロックの心、あるいは異物性を映し出すようなデザインを目指したんです。有賀さんにもたくさん着ていただきたいです。
A:それは本当に楽しみです。アメリカでも着たいね。
T:最後に、答えにくいかもしれませんが、有賀さんがブルーハーツの中で1曲選ぶとしたらどの曲でしょう。
A:『1000のバイオリン』かな。日常でフレーズが浮かぶんです。誰かに金を貸してる気がするし、でもどうでもいいじゃんっていうのもあるし。真逆に誰かにお金を借りてる気がする、すいませんっていう気持ちもあるし。
T:有賀さんは『1000のバイオリン』のジャケットも撮影されていましたね。
A:それと、やっぱり「人にやさしく」だよね。マイクロフォンの中からガンバレって言ってやる。信じらんないよな。
T:最初に聞いた時にはぶっ飛びました。「こんな曲が」って。
A:思い出した。「人にやさしく」のブレイクのところで、河ちゃんいつもジャンプしたよ。
T:それを言われて光景が浮かびました。今回のCollage T-Shirtに使用されている写真も「人にやさしく」演奏時のものかもしれないですね。
A:絶対そうだね。あと、河ちゃんは自分の曲でも飛んだかもしれない。「風船爆弾」だったかな。
shop

Exhibition

有賀幹夫も在廊する
展示会を開催

2025年5月3日(土) - 5月18日(日)
12:00-20:00 入場無料・予約不要

発表を記念して、glamb Tokyoにて展示会を開催。コラボレーションアイテムのサンプル展示に加え、アイテムに使用された有賀幹夫氏撮影の写真を大判で展示いたします。サンプルのご試着も可能です。

GREETING

有賀幹夫氏在廊

日時/5月3日(土)・5月10日(土)

各日ともに12:00-14:00、15:00-17:00

有賀幹夫氏が展示会に在廊します。今回のコラボレーションはもちろん、写真や音楽についてぜひご歓談ください。