人はなぜ、夢をみるのだろうか。
物語は突然現れ、制御不能なまま進んでいく。どれだけカオスなストーリーであっても、目が覚めるまではそれが夢だと気付かない。その無法地帯の世界は、口を開かなければ自分だけのものになる。
僕は夢の中で、自分の事を“マロ”と呼ぶ少年に出会った。彼は、微笑みながら鋭利な〈∞〉の形をした鉄の塊を僕にくれ、霧のように消えて行った。目覚めた僕は、マロが大切にしていた〈∞〉の形を記憶を辿って描き起こし、これが今季最初のデザインとなり、“MARO”というアクセサリーとなった。
「創作は神頼みだ」と言う。アイデアは計画的には生まれない。生むというよりも、誰かから与えられるという感覚に近い。この唐突的な感覚を頼りに、焦ることなく生きている自分の人生は夢の中以上にカオスな世界だ。今回も沢山救われた。
全96型からなるこのコレクションを“Silent Chaos”と名付けて発表します。ひとつでも、あなたの心を揺らすものを見つけてもらえたらとても幸せです。

glamb Head Designer, TK