AfterWords ― ブランドスタッフが語る最新コレクション
「再生」「生まれ変わり」を意味する
“Rebirth”をコレクションテーマに掲げ、
グランジファッションと新たに向き合うglamb。
今冬のワードローブの物語を
ブランドスタッフが語る

■Collection Note
今季のコレクションはシアトルを旅しながらデザインをした。
シアトルに行くことが決まって以来、僕のテンションは常にNIRVANAだった。どこかの町に行く時に、そのエリア出身のアーティストを思い描くことはほぼないのだが、シアトルだけは特別でKurt Cobainが生きてきた道をなぞってみようと感じた。
彼の行きつけのバーや小さなライブ会場はNIRVANAの成功から想像できないほど、こじんまりとしていた。
その中でもとても衝撃的だったのは、彼がよく座っていたとされる家のすぐ隣にある公園のベンチだ。見つめる先は道路と空以外何もなく、ロックスターのクリエーションの一部になっていた風景とは思えないほどシンプルな光景だった。
想像力を働かせる時は意外とあっけない場所がいいのかもしれない。僕自身、デザインをする時の環境にはとても気を使っているが、それは皆さんが想像するほどかっこいいものではない。音楽を聴きながらカウンターのような背の高い机に向かいパジャマを着て立ちながらデザインをしたり、お風呂に板のような机を置き、その上でデザインをしていると時間を忘れて没頭していることがよくある。
今季のノベルティは僕が実際に現地で撮影したKurtのメモリアルベンチのプリントが入ったTシャツです。
その写真をフラッシュ撮影すると、何かが浮かびあがるかも???
【ノベルティ詳細はこちら】
■Favorite Items
GB0325/AC12
MARO WATCH
ヨシダトレードカンパニーのオリジナル時計ブランド”VAGUE WATCH CO.”とのコラボレーションとなるこちらのアイテム。担当者の吉田さんもカナダに留学して、僕と同じカレッジに通っていた。その時はまだ彼がウォッチメーカーの息子だということは知らなかったのだが、日本に帰ってきて数年後、コラボをしたいという連絡を受けた。それから何年もの時が経ってしまったが、glambのジュエリーラインである”MARO”の形状に彼の時計がぴったりとはまり、コラボレーションが実現した。
打ち合わせ中はカジュアルに昔話や時計以外のことも沢山話すのだが、彼に教えてもらった名言がある。
”人は2回死ぬ”
1回目は自分の体が滅びて命が絶えた時。
でもその人は周りの人々の記憶として、死後もまだ生きている。
2回目は、人々の記憶から忘れ去られた時だ。
そういう意味では、Kurt CobainやAndy Warholなどの著名人や、僕の大好きだった祖母はまだ生きていることになる。
”果たして僕は、死後何年生きられるのだろうか?”
それはきっと、いかに今の人生を濃く生きたかに関係しそうだ。
このMARO Watchを手に取った人が、やがて次の代へ時計を渡し、その記憶と共にこのストーリーが引き継がれたらとっても嬉しいです。
GB0425/BN04
Blue Noise Mohair Cardigan
今回、新たにBlue Noiseという名前を付けて発表したスモールライン。
タグのロゴの下には”NOT FOR ORDINARY PEOPLE”(一般人用ではありません)と記載されている。一見シンプルな見た目のアイテム展開だが、素材や着こなしに拘りが積み込まれている。
僕自身、今この文章を書いている時にBlue Noiseの超贅沢生地である”ITADAKI”を使用したタンクトップを着ている。なめらかな着心地の中にしっかりとした張り感があり、キックバックと呼ばれる伸びた後に戻ってくるナチュラルストレッチが効いていて、この着用感に魅了されている。
グランジのアイコンと呼ばれるモヘアカーディガンも、Blue Noiseでは高級素材で知られるキュプラを裏地として使っている。上品な光沢と毛並みのモヘアアイテムは様々なオケージョンで活躍すること間違いなし。
是非、さらりと着こなして自分がもつ魅力を引き立ててほしいです。

■Collection Note
今回で11回目となる北海道でのロケーション撮影。
前回は飛行機内で副鼻腔炎により激しい頭痛に見舞われ、着陸時は不安を抱えていたが、今回は無事に北の大地へと降り立つことができた。
ロケーションの企画を練っていた頃、コーディネーターから「北海道にユニークな建物がある」と連絡を受けた。聞けば、ゴルフ場建設が頓挫し、長年放置されたコンクリートの建造物だという。所有者を調べ、連絡を取ってみると、その場所は次世代畜産を手掛ける新進気鋭の企業によるものだった。撮影やショーの依頼は多いものの、ブランディングの観点から選ばれたパートナーにしか貸し出さないという。しかし僕らのビジュアルを見て快諾していただき、今回の表紙写真はまさにそこで撮影された。
さらに足を運んだのは、街を水没させて生まれたダム湖・シューパロ。水面から枯れ木が立ち並び、点在する人工物と深い森のコントラストが生み出す光景は、荒廃と荘厳さが共存する唯一無二の絶景だった。シャッターを切るたびに、glambのビジュアルをこれなんだよ、という強い気持ちになる。
10回以上訪れてきた北海道だが、撮影を重ねるたびに新しい魅力に出会い、僕らのビジュアルに新たな表情を与えてくれる。おらがまちの素晴らしいロケーション情報お待ちしています。
■Favorite Items
GB0425/JKT02
Beadswork Knit Jacket
70’sっぽいノスタルジックな雰囲気が魅力の Beadswork Knit Jacket。散りばめられたビーズ刺繍はすべて職人の手仕事で温かみがある。程よく力の抜けたムードにクラフト感が重なって、日々のコーディネートで自然と選ぶであろう一着。ラフに太いパンツと合わせて着たい。
GB0425/BN09
Blue Noise Premium Grade T-Shirt
一年ほど前、生地屋で唯一の雰囲気をもつ素材との出会いがあった。頂点を意味する"ITADAKI"というらしい。小さな生地見本からも他とは違う上質さが感じられたカットソー生地で、程よい光沢があり、一枚でもジャケットのインナーでも映える存在感だった。きれいなカットソーは多いけれど、今季のBlue Noiseラインが提案するカットソーは首周り・袖口・裾を天竺ロールで仕上げ、ラフさを加えています。そこに漂うグランジやカウンター精神こそ、まさにglambらしさ。静かだけれど芯にマインドが詰まった一枚、そのムードを反映させたコレクションビジュアルも是非ご覧ください。

■Collection Note
今季も岐阜ARTIFにて2日間、東海展示会させていただきました。中には県外から毎回通ってくれる方もいて本当に感謝です。今回はSuspended 4th鷲山和希に弾き語りに来てもらい、特別な夜にできました。音楽とファッションがシームレスに楽しめる会になり、好評でしたらまた実施したいと思っているのでglambやARTIFまでぜひご感想お待ちしています。
■Favorite Items
GB0425/JKT13
Bowler Stadium Jumper
次なるトレンドとなっているショート丈ですが、この一着は短さの中に色気やロックのムードを感じさせるのが特徴。さらにウールをしっかり含んだ上質な素材感はスタイリングをワンランク上の佇まいに。尖っているのに大人な雰囲気となっており、バイカーの方にもおすすめ。
GB0425/KNT02
Check Knit Hoodie
コレクションフォトセッションでのKen Mackayくんの着こなしが印象に残る1枚。普段フルパワーで出力している人がふんわり着ているとかわいい。彼の雰囲気が理想なのでぜひサイトでご覧ください。
【w.o.d.特設サイトはこちら】

■Collection Note
6月にglamb公式サイトがリニューアルオープン。ブランドの世界観をよりいっそう引き立てるべく、1年以上にわたる準備がようやく形になりました。リニューアル後初のレギュラーコレクションとなる今季のテーマは奇しくも“Rebirth”(再生)。ウェブサイトにもデザインにも新たに向き合うこととなったWinter Collection、僕自身も過去にあぐらをかかず、常に新しく、常によりよいものを目指していきたい。Winter Collectionのご予約にもご利用いただける¥3,000オフとなるバウチャーも用意しておりますので、ぜひ生まれ変わったglambをご覧ください。
【バウチャーご利用はこちら】
さて今季のテーマにちなんだロックミュージックはBUCK-TICK『スブロサ SUBROSA』。彼らのスタイルはアルバムごとにニューウェイヴ、ビートロック、ポップパンク、インダストリアル、ラガマフィン、ゴシックロック、エレクトロニカ、ヘヴィロック……と変遷しながら独自の音楽を作り上げてきましたが、2023年に劇的な、そして最大の変遷が起こりました。バンドのフロントマンであり、ヴィジュアルと声の両面でバンドの世界観を体現していたボーカル櫻井敦司さんの死去です。
ボーカルをとっかえひっかえしているバンドならいざ知らず、デビューから35年一度もメンバーチェンジをしなかったバンドのボーカルがいなくなるというのはえらいこっちゃですよ。直後に更新されたギタリスト今井寿さんのインスタ「続けるからね。大丈夫」に励まされながらどうなることやらと思った日々。それから1年後現れた『スブロサ SUBROSA』は残された4人のうちのギタリスト2人がボーカルを担当するという、“Rebirth”なものでした……!
今井さんご本人とも展示会で少し話させていただきましたが、僕はこのアルバムを現代のニューウェイヴだと感じました。閉塞した時代を吹き飛ばすような、新鮮なエレクトロニカでそこにB-Tらしい重厚感とほんの少しの哀しさ、そして希望が散りばめられた未来のサウンド。失ってしまったものもあるけれど、それでも生まれ変わって歩んでゆく。痛みも喜びもすべてを肥やしにして、いつだってRebirthしていこう。
■Favorite Items
GB0425/CS01
Rebirth T-Shirt
ヴィンテージ感あるグラフィックとダメージは古着の宝庫から掘り出したレア物のような佇まい。1枚で着るだけでも「こいつ何かやってるな」ムードを作り上げてくれます。ステッチ使いもヴィンテージ仕様になっており細やかなところまで本格的なもの。冬はルックの通り無地ロンTの上に着たりライダースのインナーに、春夏は単体着用とコスパに優れているのも嬉しいですね!
GB0425/AC03
Craft Lace Up Boots
アウターがいよいよもって最重になるシーズン、パンクなボリュームあるレースアップブーツはスタイリングバランスを整えるのにマスト! 男ならやっぱり持っておきたいレザーのBlack、ツイード素材を用いた2種は何でも合わせられる万能選手のBrownとオールブラックコーデにアヴァンギャルドなアクセントとなるMultiと、みんな違ってみんな良い。全部欲しい!

■Collection Note
glambの一番の強みは世界観作り。どのスタッフに聞いてもそう答えると思います。今回のコレクションは異なる世界観を2軸に分け、お客様にお届けさせていただきます。
話が少し逸れますが、最近今話題沸騰中の『鬼滅の刃』を観に行きました。作品の面白さはもちろんなのですが、自分も一緒にその世界にいるかのような映像美や音響など、様々なベクトルで視覚と聴覚が刺激され、3時間ぶっ通しで作品の世界観に引き込まれていました。
glambのコレクションでも“Rebirth” “Blue Noise”と異なるテーマの世界観をご用意しておりますので是非見て着て感じて頂ければと思います。
“Rebirth”は今までのglambから生まれ変わり、新生glambとして企画をアップデートしたアイテム達のラインナップ。
“Blue Noise”はシンプルというジャンルをglambのフィルターに落とし込み、洗練されたアイテム達のラインナップとなっております。
個人的には“Rebirth”にラインナップされたアイテムの中に、TKと僕で直接中国に足を運び、現地の工場の方と1日中ディスカッションして誕生したアイテム達がデザイン、加工感共に非常に抜け目ない仕上がりとなっており、まさにRebirthしたアイテム達が誕生しました。
今回出会えた中国の方々にも撮影したルックを共有して、とても喜んでいただけました。ありがたい……。たくさんの方たちの力で成り立っているからこそ、感謝の気持ちや、一期一会の出会いを尊く大切にしないとなと改めて今回のコレクションを経て感じています。
glambに関わっていただいている全ての方、そしてglambの洋服を纏っていただいているお客様、この場を借りて感謝申し上げます。話が少し脱線してしまいましたが、洋服だけではなく新しくリニューアルしたglamb webサイと共に今回のコレクションをご覧いただけると幸いです。
■Favorite Items
GB0425/SH05
Synth Leather Collar Shirt
冬のコレクションのスタイリングはかなり自由度の高いもの。カラーリングやシルエット、テキスタイルなど豊富な組み合わせがあるので、いつもスタイリングに悩まされます。そんなスタイリングを一気に引き締めてくれる存在になるであろうシャツをご紹介させてください。スーツ生地とシンセティックレザーのドレッシーな素材を組み合わせたこちら。ジャケットやカーディガンなどののインナー使いとして使用していただければ、襟元のエッジの効いたシンセティックレザーが覗き、全体を引き締め、更にスーツ生地のボディがスタイリングをマイルドにしてくれます。glambのルックではGB0425/JKT13 Bowler Stadium Jumperと組み合わせており、とてもクールなスタイリングに仕上がっております。また、別売りされているでGB0425/AC07 Synth Leather Tieは同色同素材で使われている為、セットでご購入していただくのもおすすめです。
GB0425/CS12
Layered Acid Cutsew
派手になってしまいがちなレイヤードスタイルを、構築的なパターンワークで一着に落とし込んだこちらのアイテム。僕自身がレイヤードスタイルがあまり得意ではないのですが、これだったら背伸びせずカッコよく着れるというのがコンセプトです。笑普段だと袖や裾のレイヤードって配色にされがちだと思うのですが、そこを同色同素材にしていることで全体がマイルドになり、クールなレイヤードが出来上がっています。ただ素材が普通の天竺だと味気ないので、そこにアシッドな加工を全体に施し、トレンドの要素もいれつつグランジムード漂うニュアンスをプラスしています。グラフィックは加工でボロボロになっただけではなく、グラフィックデータ自体にかすれをいれており、加工とグラフィックの2軸でヴィンテージへのアプローチをかけています。カラバリはMustardとCharcoalで好みに合わせてご検討いただければと思います。

■Collection Note
僕たちはほとんど同じサイクルの中に生きている。行く場所、話す人、ライフスタイル、仕事のルーティン、その時々での過ごし方は違うけど、なんとなく型が出来ていくものだ。ただ、それは果たしてRebirthと言えるのだろうか? いつもの自分と違うことをしたり、考えるきっかけを作らないと僕自身が語れないと思い、髪型を新しくしてみたり、日課に筋トレを追加してみたり、行くエリアを変えて関わる人を変えてみたりした。それはわずかな1歩だったけど、マインドや視野に変化があるのを感じた。僕はまだ20代半ば、サイクルに固執しないで新しいことにどんどんのめり込もう。そしてバカをして痛い目を見よう。痛い目エピソードがあればお話するので、それはどこか会った時にでも聞いてください。
■Favorite Items
GB0425/SH06
Suit Fabric High Neck Shirt
アウターライクなアイテムが好きなのだが、そういうアイテムって、厚みがあったり、アウターに使われるような生地を使っているものが多い。こちらは、外套のようなシルエットなのに、サラッとした着心地なので、アウターライクなアイテムをインナーで着た時特有の着膨れや重たい感じがない。特に首元を立てた時に、ミステリアスなんだけど存在感を感じさせるような雰囲気を演出できる。アウター風だけど、あくまでインナー使い。Rebirthに際して、新しい着用をコンセプトに提案した1枚なのでぜひお試しください。
GB0425/P10
Structure Tuck Cargo Pants
バギーパンツや、サルエルがまだ主流な昨今。自分はどんなパンツにワクワクするか考えた時、「え、これどうなってんの」と興味を引くシルエットやディテールのアイテムだった。こちらのパンツにも腰元に取ったタックが長く膝元まで伸びるようになっており、それが独特のボリュームや陰影が生まれる。くしゃっとしてるんだけど構築的なパンツだ。
そして股上に余裕を持たせてるので、ストレスない着用ができる。試着した時に、ヘビロテしたいと思ったアイテムなので冬はこれにお世話になるかもしれない。

■Collection Note
今季のテーマ“Rebirth”は「再生」「生まれ変わり」を意味しています。この言葉を前に、私自身のRebirthについて考えてみました。正直に言えば「大きく生まれ変わった瞬間」なんて自分自身あまり思い浮かびませんでしたが、母との会話で「ある人と出会ってから、あなた変わったよね」と言われたのです。
本嫌いだった私が本を楽しむようになり、勉強が好きになり、大学院に進んだこと。そしてその期間にglambと出会ったこと。振り返れば、その出会いがなければ選ばなかっただろう道を歩み、知らぬ間にRebirthしていたのだと思います。
生まれ変わりは、自分の決意で始まるものだけではなく、周囲の誰かの影響によって自然に始まっているのかもしれません。だからこそ、日常に散らばる小さなきっかけを大切にしたいです!
今回の“Rebirth”というテーマは、そんな気づきを私に与えてくれました。ぜひコレクションを通して、皆様自身のRebirthの瞬間を思い返してみてはいかがでしょうか。そしてglambがそのきっかけになれば嬉しく思います! Let’s Rebirth!
(もし本当に生まれ変わるなら……柴犬になりたいです🐶)
■Favorite Items
GB0425/P01
Rebirth Denim
膝のクラッシュや淡い退色感は、ただの古着っぽさではなく、「生きてきた証」のような味わいを持っています。新品なのに、まるで何年も一緒にいた相棒のような顔をしているのが、このデニムの特徴でしょうか!?
わたしはGB0425/JKT04 Lether Bomber Jacketと合わせてバイクが似合うワイルドな雰囲気にしてみたいです。グランジルックを改めて提案するglambのデニム、ぜひ皆さんの相棒にしてみてください!
GB0425/CP01
Lettering Knit Cap
ニット帽ってどうしても単調になりがちですが、このニット帽は全面にglambならではのデザインが施されていて、コーデの主役になってくれます。そんなところが私はすごくお気に入りです! そしてなんとMADE IN JAPAN。柔らかく軽いウール素材で、かぶり心地も最高です!
Black、Wineそれぞれ違った雰囲気でコーデの中心アイテムになりそうですね! 早く冬になって、このニット帽を主役にしたスタイルを楽しみたいです!(もう冬のデートコーデの主役決まっちゃいました!笑)









