glamb Collection Look Book Vol.77【w.o.d.】
【Winter Collection 2025 "Rebirth"】
全てのプロダクトの詳細な解説に加え、ブランドの世界観を余すことなく伝える写真を多数掲載した200Pに及ぶヴィジュアルブック。両表紙となる冊子はw.o.dが片表紙に登場。
glamb コレクションルックブック - No.77 Winter Collection 2025
刊行/2025年8月11日・フルカラー208P
コレクションストーリー
今季のコレクションをデザインするために、僕はグランジの原点であるシアトルへ行った。
Viretta Park というKurt が住んでいた家のすぐ隣にある公園に、彼がよく座っていたとされるメモリアルベンチがあり、沢山のメッセージが書き込まれていた。そこから眺める世界はいたってシンプルなものだった。
ベンチから20 メートルほど先には静かな道路があり、さらにその向こう側は丘になっているため、家が数件ある以外は曇り空しか見えず何処か寂しげだ。
アメリカの北西部に位置するシアトルの空気や樹木の色味は、高校を卒業してすぐにカナダに渡り過ごした青春時代を僕に思い出させた。NIRVANA の曲を耳にしだしたのもちょうどその頃だ。2000 年代初頭、すでにKurt が亡くなって何年も経ってからのことだ。
僕が住んでいたのはカレッジタウンと呼ばれる学生しか居ない田舎町、唯一の娯楽と言えば週末にクラブへ行くことぐらいだった。HIP-HOP やカントリー が主流だった当時のカナダのクラブシーンでも”Smells Like Teen Spirit" は ほぼ毎回プレイされていたし、家で常につけっぱなしにしていたMTV でも NIRVANA のMV はいつもオンエアされていた。
27 歳の若さで自分の頭をショットガンで撃ったロックスターの思考には、曲を何度聞いたとしてもたどり着くことは出来ないだろう。
それでも、彼が作り上げたグランジというジャンルは、音楽の枠を超えてファッションとしても時代を超えて人々に受け継がれている。
僕はデザインをする時は常に音楽を聴いている。
音楽を体で感じられる時は波に乗っている気分でいいアイデアが浮かぶのも勿論なのだが、曲の作り手の意図や法則みたいなものを自分なりに分析していて、その方程式をデザインに当てこんだりもする。
時に、自分が音楽家として曲を作っているような思考で洋服を作る感覚になることがある。
例えるなら、”このディテールはサビで、この服を着る人にはどんな気持ちになってほしくて___”といった具合に。
もしglamb がバンドだったら、どんなことを歌い、人々に届けたいのか___。
シアトルでKurt の足跡を辿るうちに、今までのデザインを振り返り、当時の思考が頭に過った。
5000 型以上のアイテムをリリースしてきたが、どれが本当に自分が表現したかったものなのか考える時間があった。
たどり着いた答えは、自分のリアルを伝える事だった。
どんな洋服が欲しいのか、よりもまずは自分が積み重ねてきた経験を見直し、デザイナーとしての思考回路の軸や根本的なマインドを理解する事から始めた。
この行為を”Rebirth - 再生”と名付け、71 型のメインコレクションと新15 型からなる新たなライン”Blue Noise”をリリースします。
人は生まれてから、その体が滅びるまで人生という道を歩み、また生まれ変わる(再生や輪廻)と言われている。
NIRVANA とはこの輪廻の概念の先にある”涅槃" と言う生死を超えた悟りの世界を意味する。
僕はまだNIRVANA の世界を語るには未熟すぎるが、いつかデザインという枠で悟りの境地を見つけたいと思っている。
それまでは、この新たなglambを応援して頂けたら嬉しいです。
Hello again, everyone,
glamb Head Designer TK
From ash, a breath begins
The self unfolds, renewed
Light finds its shape again
Hello again, everyone
Photo : Yuko Takakai
Video : Seigo Ando
Model : Felix,Ian,Zen,Lucas


