COLLECTION PHOTO SESSION

COLLECTION PHOTO SESSION

Winter Collection 2025
“Rebirth”

× w.o.d.

Photograph : Yuko Takakai
Hair&Make : Sarara Yasumoto (untitled.)
Styling : glamb

“Rebirth”をコレクションテーマに
新たなグランジ像の描出を目指すglamb。
ムーヴメントの後継者として
現代の日本からグランジを鳴らす
w.o.d. とフォトセッションを行った。

w.o.d
Interview

Interview

Inetrview&Text: Yuta Teramoto (glamb)

glambは2003年の設立当初から「グランジ」をブランドコンセプトに掲げています。w.o.d.も同様に「グランジ」をキーワードに掲げてバンドを続けていますね。結成当初からグランジは明確なテーマとしてあったのでしょうか。
サイトウ:コンセプトというよりは、好きでやっていただけですね。単純に。
Ken:自然とそうなっていたね。
サイトウ:本当に好きでそういう音楽を続けていたら、周りからも言われるようになり、全国流通盤をリリースするタイミングでスタッフからバンドにキャッチコピーをつけようと相談があり、そこで「グランジだ!」となって。
「グランジ」は外部から与えられたコピーかもしれませんが、好きな音楽を突き詰めた結果がグランジ的であるのもまた事実ということですね。
サイトウ:けれど、今度のEPのタイトルは『grunge is dead.』と名付けました。ここに来てと言われるかもしれないですが、そういうひねくれたスタイルや姿勢がグランジの本質のような気がしていて。自分自身に対してもずっとカウンターを当てていくというか。それをやってきた結果、みんなにグランジのバンドとして認識されているんだと感じています。
故人となったアイコンも存在する「グランジ」というカルチャーを背負うことに、重圧に感じることはありませんか。
サイトウ:いや。良くも悪くも中学の時から同じことをやってきているので。全然グランジじゃないことやっている時もあるけどなと思うし。なので個人的には「グランジって言われてるな、ウケる」という感じです。
元良:本物のグランジを勘違いしている人もいるだろうし。
Ken:いるやろうな。
サイトウ:90年代のグランジがオリジナルのグランジだけど、グランジは時代ごとの価値観で捉え直されている部分もあると思う。90年代のことは知らないけれど「w.o.d.はグランジ」と言っている若い子もいる。俺らのことはさておいても、それはそれで今のグランジとして正解かなという気もしていて。
確かにグランジはニルヴァーナ、特に『ネヴァーマインド』のイメージで語られることが多いですが、大部分のグランジバンドはよりダークで重くてアンダーグランドなロックを鳴らしていた。そういう意味ではグランジ自体も意味するところが変わり続けていますね。
サイトウ:そういう広い視点で見たら、グランジを背負うことも悪い気はせんというか。
3人とは2021年の「ONSTAGE RUNWAY 2020’s(*)」でご一緒して以来、もうすぐ5年の付き合いになりますね。

(*glambが、2020年代の音楽シーンを担うと考えるバンドと取り組むライブフォトプロジェクト。バンドの一公演の衣装をglambが担当し、その模様を撮影。写真は店頭の写真展やルックブックで公開)

サイトウ:埼玉のライブハウスでしたね。まだコロナが明けたくらいで、入場規制があって外にお客さんが整列していた光景を覚えています。
元良:ワンマンだったな、確か。
サイトウ:あのときの俺の衣装はオレンジとエンジのパジャマセットアップでしたね。
w.o.d.はそれぞれにトレードマーク的なアイテムがあるので、当日の衣装にもそれを反映させたのを覚えています。
Ken:その日も俺はホッケーシャツを着せてもらいました。ホッケーシャツを着るようになったのは、メンバーから誕生日プレゼントでもらったのがきっかけで。
元良:そうだったね。お互いの誕生日には古着屋に行って、10着くらい古着を選んでプレゼントし合うっていうイベントをやってたんです。
サイトウ:やってた。安いやつから、まあまあのやつまで大量に選んで。
Ken:その中にホッケーシャツがあって、それをライブで着るようになって、もう8年くらい経ちます。あれがなかったら、今も着てなかったかもしれない。最近よく見ますよね、ステージ衣装でホッケーシャツを着てる人。
元良:俺はキャップかな。一時期やめていたけど、やっぱりかぶった方がいいかなと思っています。
サイトウ:俺は基本パジャマで、あとはバンドTですね。自分が影響を受けたものを身にまとってステージに立ちたいという気持ちがあって。
3人の中で一番glambを着てくれているのはサイトウさんですね。Keith & Charlie Tはライブでよく着てくれていました。最近はPaisley Line Pantsをよく穿いてくれていますね。
サイトウ:そうですね。glambにはロックやグランジのルーツががっつりある感じがする。でも単にルーツっぽいだけじゃなくてドレッシーだったりキャラの強さがあったりする。それが大きな規模のステージだと映える。小さいライブハウスだと私服っぽい方が個人的には好きだけど、Zeppやそれ以上の規模感の時にはglambのような”濃い”アイテムの方がいいなと思ってより着るようになりました。
glambに関して他にもエピソードなどがあれば教えてください。
元良:SIX LOUNGEも着ているな。
サイトウ:着ているね。俺らの世代にも多い。SIX LOUNGE、Suspended 4th、PK shampooとか。「みんなglamb着てるやん」はフェスのバックでのあるある。
ありがとうございます。今回のglambのフォトセッションを通じて、w.o.d.を聴いてみようと思うお客様もいらっしゃると思います。そういった方々へのメッセージを最後にいただけますか。
サイトウ:ファッションと音楽ってすごく結びつきが深いものだから、見た目から入っていくのも大事だと思っています。やっぱロックバンド、かっこよくないとダメだと思うけど、逆にダサいことまでアイコンになる。ダサい服着て、下手な演奏してることすら、そのバンドとかカルチャーのアイコンになったりするくらいファッションと音楽は結びついている。でも、その奥には歴史や積み重ねられてきたカルチャーがあるから、掘っていったら単純に面白いと思う。そして理解を深めたあとで、最初に聴いた音楽やファッションに戻ると印象が全然変わって、その音楽を聴いている意味やその服を着ている意味が、なぜこうなっているかがわかって、より音楽や服のことを愛せるようになるんじゃないかと思う。音楽もファッションも、僕らのことも深堀りしてほしいです。
Ken:もったいないよね。
サイトウ:絶対楽しいねんな。それを知ったら、1枚のTシャツが精神的支柱になったりする。どういう理由があって、この服を着てるかっていうのを自分が理解したら「この服を着ただけで強くなれる」とか「頑張らないといけないときにこの服を着る」とか、そういうことだけでも日々頑張れたりすることもあると思うから。絶対いろいろわかってた方がいい、プラスがある。
元良:glambが好きならロックが好きだと思うし、ロックが好きならw.o.d.が好きだと思います。
サイトウ:綺麗にまとめた、素晴らしい。
w.o.d.
サイトウタクヤ(Vo&Gt)、Ken Mackay(Bass)、中島元良(Drums)からなる神戸発の3ピースバンド。3ピースで鳴らす、時に感情的にシャウトするボーカルと歪んだギター、鼓膜を瞬時に捉えるヘヴィなベースに、抜群のビートが息づくドラムス、極限まで研ぎ澄まされた有無を言わせぬグルーヴ。圧倒的な音楽センス・ライブパフォーマンス・ビジュアルワークで、類い稀なオリジナリティを見せつける、ネオ・グランジ・バンド。配信EP「grunge is dead. EP」を7月23日にリリース。8月23日からは東名阪を巡るワンマンツアー「LOVE BUZZ Tour」を開催。