

glambがブランド設立時から掲げる
ブランドコンセプトである"Grunge for Luxury"
グランジの精神はデザインに宿り
ラグジュアリーなクオリティは素材や仕立てに宿ります
このルックブックが初刊から60号を数える今季
ブランドのシューズ作りの姿をドキュメント

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The
Shoes Craft
革の可能性をどこまでも追い求めて
glamb がたどり着いた色彩
- 革塗装
- LEATHER
PAINT
ヴィンテージレザーの色彩に迫る
ブランドの革加工
ブランドアイコンとなっているアウターと並び、ブランドのレザークラフトを代弁するのがシューズ。
今季、glamb はレザーの可能性に挑戦し、アドバンレザーという特殊革を素材に用いた一足、Multi leather lace up shoes を発表します。
アドバンレザーの特徴は仕上げの加工によって描かれるグラデーション。右の写真では右側が加工後、左側が加工前の状態を並べています。右側の靴はトウの部分にアドバンの特徴となる淡いグラデーションが描かれているのがわかるでしょう。
glamb がアドバンレザーの使用するにあたって着想としたのは1950年代から1990年代にかけて生産されたヴィンテージのライダースやエンジニアブーツに見られる「茶芯」。茶芯は、傷のある革でも素材として使用できるよう一旦通常の染めを行ったレザーの上に、黒の顔料を厚く吹き付けた革が使い込まれて地の色が出た状態のことを差します。もともとは素材の使用効率を高めるために生まれた茶芯革ですが、レザーの醍醐味に溢れたその風合いが革好きの心を掴んできました。
glamb のアドバンレザーは国内にある革工場で革職人が革1枚1枚をスプレーを吹きつけて仕上げたもの。加工時に映えるよう顔料は一度にまとめて吹くのではなく、薄い層を5回ほどに分けてスプレー。結果を急ぐことなく、時をかけて仕上げることで革のポテンシャルを最大限に高めていくのです。





- バフ加工
- BUFFING
革と対話するように
職人が描き出すグラデーション
革工場で丹念に仕上げられたアドバンレザーは靴工場へ。アッパー完成後、アドバンレザーの風合いを引き出すバフ加工の工程が行われます。
柔らかなローラーを蝋を含ませて高速回転、そこに革面を当てることで接触部を加熱し、外側の色を剥していくことでグラデーションを描いていきます。言葉にするとシンプルな工程ですが、出荷される全ての靴を均一なクオリティに仕上げるためには革に対する深い理解が求められます。
レザーはここまで見てきたデニム以上に個体差のある素材。人間の肌質が十人十色で異なるように、レザーも1枚1枚異なる質を持ちます。染めの上に塗装を重ねたアドバンレザーであっても、ブランドが描く色合いまでに必要なバフ加工の強度は千差万別。職人には革の個性に応じて加工の強度を臨機応変に変化させていく緻密な腕が求められます。それでも色に差が生じてしまう場合はバフの後にさらにクリームを用いて色合いを最終調整。ブランドの思い描く革の姿を職人は妥協なく一足一足表現していきます
こうしたクラフトマンシップに支えられ、アドバンレザーを用いて glamb が新たに提案するのが黒と青というヴィンテージには存在しない色合いのレザー。glamb がコレクションを通して新たなデザインを発表し続け、そしてそれを皆さまの元に届けることのできる奥には無数の職人の手仕事があります。ここで紹介した技術はブランドにとってほんの一部。さらなるラインナップをここから始まるルックブック本編でご覧ください。



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Shoes Item

2003年、“Grunge for Luxury”をコンセプトにデザイナー古谷完によって設立される。以後、グランジロックスタイルを基調としながら、ストリート、モード、ワークなど、様々なスタイルを融合したデザインワークで国内シーンを牽引。ミュージシャンやタレントにも多くの愛好家を持つ。
