AfterWords ― ブランドスタッフが語る最新コレクション
今季glambがお届けするコレクションは、
目で見る事の出来ない“風”を心で感じ、描いたアイテムたち。
コレクションに込められたストーリーを
ブランドスタッフが語る

■Collection Note
今回のデザイン期間は山籠もりをして静かな田舎町で過ごした。滞在先で数名の人たちとお会いしたのだが、みんな本当にいい人で、東京から来た僕を温かく迎えてくれて、一緒に晩酌をしたり、夜深くまでお話することもあった。
この町には、”までい”という文化が根付いているらしく、”までい”とは”真の手”が由来で、手の平を手の平を合わせるという意味があり、お互いに助け合って生きていく、というものだった。僕が出会った人全員がこの町で生まれたわけではないものの、住民の人々からは”までい”を感じれた。宴会に同席していた1名と近くの道路のど真ん中に座り夜空を見ながら長い間お話をしたけれど、その真っ暗闇の道路に車が通ることすらない、小さな町だった。
日中はもちろんデザインに明け暮れていた。窓から眺める先の水田で、稲が風で綺麗になびいていた。まるでその風は生きているかのように、自由で柔らかく時に急に曲がったり、止まったり、まるで何かを追いかけているような雰囲気がとても幻想的だったことから、今回のコレクションはShadow of the Wind (風の影)という誰も見たことのないものをテーマにした。
変幻自在な風の影を洋服に落とし込んだら、僕はどう表現するのか? この洋服を着用した人たちは、どんな組み合わせをするのか? そんなことを考えながらデザインしたアイテムたち。山籠もりの旅を終え、帰りの車の中でglambのスタッフに今回のコレクションの方向性をどう伝えようか考えていた時、までいの心を持った人たちの顔が頭に浮かび、この町を去る寂しさで少し目が潤みました。
滞在先の壁には僕がコルクのコースターに書いたこの町をイメージした言葉が貼ってあります。
”Nothing but Everything"
何もない小さな町だったけど、僕に必要な全てがありました。
■Favorite Items
GB0126/JKT01
Blow Reversible Bomber Jacket
Shadow of the Wind (風の影)をイメージして作った代表作がこちら。今回のルックブックの表紙にもなっています。リバーシブルでパンチがある柄使いが、THE glambという感じ。風になびく長いテープは使い方も自由で、袖に巻いたり、ボトムスのキーホルダー感覚でベルトループに通したり。
テープが付属されたり、装着できるループがあるものを”Blow”シリーズと名付け、アクセサリー品番でもレザーはメタル、ビーズ素材でできた”Blow"のテープを単体で展開しています。北海道で撮影をしたChevonのやぎちゃんの撮影では首に巻いてそこからMARO Watchをぶら下げてもらいました。w
やぎちゃんにしか出来ないようなテープの使い方ですが、僕はかなり気に入っています。
【“Blow”アイテムはこちら】
GB0126/KNT01
Hand Beaded Cardigan
最近ハマってるビーズを使ったディテール。スカジャンやプルオーバーニットでも使っているのですが、今回は特にこのカーディガンが好き。ラフに落書きをして描いた柄にビーズを当て込んでいます。基本的にカジュアルがコーデが多い僕ですが、普段からよく着るカーディガンが華やかになって、日々のスタイルのバリエーションが増える予感。

■Collection Note
今回、Chevon の谷絹茉優さんを撮影させていただくため、glamb チームは札幌へ向かいました。その渾身の仕上がりは、ぜひカタログやウェブサイトでご覧ください。その中の一枚は谷絹さんの Instagram プロフィール画像にも設定されています。これはフォトグラファーとして本当に嬉しいことで、心から気に入ってくれたんだと感じ、自分たちの仕事を誇らしく思いました。
札幌で18時に撮影を終え、そのまま5時間弱かけて函館へ移動。駆け込みで入った温泉で英気を養い、翌日からは glamb のイメージビジュアルのロケを三日間敢行しました。函館周辺、駒ヶ岳、シラフラ海岸、かもめ島、上ノ国町——住む人も景色も本当に素晴らしかった。ご協力いただいたすべての皆さまに、心より感謝申し上げます。
■Favorite Items
GB0126/SH02
Blow Long Shirt
今季フォトセッションでご一緒させていただいた Chevon の谷絹茉優さんがキービジュアルで着用しているのが、こちらのシャツです。普段とは異なる“モデル”というステージでも圧倒的な存在感を放っていただきました。僕のポージングの提案にも何倍もの表現で応えてくださり、まさに今シーンを猛烈な勢いで駆け上がっているアーティストだと改めて感じました。いつか北海道の広大な景色でもご一緒に撮影してみたいです。
GB0126/JKT05
White Tiger Knit Ska Jumper
ビーズを散りばめる職人の手仕事と、アームのステッチワークが魅力の“ほどよく気の抜けた”ニットスカジャン。もちろん王道の刺繍も良いのですが、手前味噌ながら、こういう切り口こそファッションブランドらしい仕事だと思っています。男性だけでなく、女性にもぜひおすすめしたい一着です。

■Collection Note
コレクションフォトセッションに登場してくれたChevonの谷絹茉優さん。性別不詳、圧倒的な歌唱と美貌で注目を集める谷絹さんは次世代のアイコンだと感じて、数年前からずっと注目していました。谷絹ちゃんが撮影時のインタビューで語っていたのは『この子は男性だな、女性だなっていう先入観のないまま、コレクションやルックを楽しんでもらえるといいかなと思います。どの性別でも純粋にかっこいい、純粋に可愛いっていうのができることを感じたり楽しんでほしい』という思いでした。発表から数日、たくさんの反響を拝見していましたが、実感したのは谷絹ちゃんとファンの方々の精神的なつながりの強さ。谷絹茉優の生き方を深く理解し、谷絹茉優がさらに輝くことをファンひとりひとりも自身の糧にしていることを感じ、僕にとっても新しく大きな仕事になりました。
ぜひCollection Photo Sessionの特設サイトへ訪れてみてください。【特設サイトはこちら】
■Favorite Items
GB0126/SH01
Black Sabbath Open Collar Shirt
開襟シャツ。普段使いしやすいのはポリエステル生地だけれど、勝負を決めるシャツはやはりレーヨンで持っておきたい。今年7月に他界したオジー・オズボーン。亡くなる二週前にはロック界を代表する面々が終結した感動的なライブを行い、すべてやりきって亡くなるという圧巻の最期でした。そんな彼に向き合うにはやはりレーヨンのシャツで決めたい。
GB0126/KNT04
Paraffin Coated Knit Blouson
ショート丈がネクストトレンドとして浮上していますが、個人的にプッシュしたいのはアウターとインナーの間にショートブルゾンを挟んだ3レイヤード。こちらのアイテムはニット素材なので重ねても気楽、ジップアップでニュアンスのアレンジし放題ととても使い勝手がいい。コレクションフォトセッションのソファのカットでも取り入れています。

■Collection Note
光あるところに影あり。デザイナーの見た田園風景から生まれた今季のコレクションですが、めちゃくちゃ世の中の心理をついているなと思います。というのも、最近かわいいかわいいパピーと暮らし始めたのですが、外では大人しくて「おりこうさん」と言われていても家の中では手のつけられない暴れん坊。外を優雅に散歩しているよそのワンちゃんも、実は大変な子なのかも……と思ってしまいます。さて今季のアイテムたちは風や影の話もそうなのですが、ロック色の強いところが僕の一押しポイント。ひも!?と思うかもしれませんが自由で型にはまらないスタイルを実現してくれます。素材やら柄やらもそうなのですが、そのマインドこそがロックなのでは? と思うのです。
今季紹介したいテーマにちなんだロックミュージックは、THE PINBALLS『さよなら20世紀』のタイトルチューン、『20世紀のメロディ』。光が21世紀で影が20世紀にあたる歌詞なのですが、それでも20世紀のことは大好きだったよ、みたいな内容がバンドならではの粗野かつ詩的なサウンドに乗せられていきます。特にクリーンな進行の中に途中から入ってくるノイジーなカッティング、僕こういうのが大好きなんです(LUNE SEA『LOVELESS』とかそういうの)。【こちら】で流しながら今季のルックを眺めてみてください。
■Favorite Items
GB0126/AC04
Blow Leather Tape Strap
これがそのロックなスタイリングを叶えるアイテム。タブの付いたBlowシリーズの袖に巻き付けるのはもちろん、首に巻いてチョーカー風にしたり、ベルトループから垂らしたりと、コーデの余白にどう配置するかはあなた次第。世界的品質の栃木レザーというのも嬉しいところです。
GB0126/CS01
Sacred Damage Cutsew
よく見ると実は、なディテールって所有物に愛着がわくポイントだと思うのですが、このカットソーでいうとそれはシングルステッチ。タイムレスなヴィジュアルと洋服作りの思いがミックスした装いでテンアゲ間違いなしです。

■Collection Note
「どんな冬もいつか終わる。そして春は必ずやってくる。」
アメリカ出身の作家、ハル・ボーランドさんが残した名言で、寒さのなかにも春の息吹を感じるように、困難の向こうには希望があることを教えてくれる名言です。春と言えば何かしら新しい挑戦をされる方がいらっしゃるのではないでしょうか。そんな僕は、今この場で内容を言うことはできませんが、新しい挑戦をしている真っ最中です。出口の見えない不安やあせりを感じることもありますが、進化しているであろう未来の自分を信じて突き進んでいます。glambユーザーにとってどんな些細なことでも、何かに挑戦する方の支えになれるような洋服が今回のコレクションで見つかろうものなら、そんな幸せなことはございません。
夢や目標を全力で追う人はかっこいいし、美しい。
■Favorite Items
GB0126/CS19
Layered Skipper Cutsew
glambのお客様の好きなアイテムランキング上位のカテゴリーで、1枚でコーディネートが完成するようなレイヤードアイテムが好きな傾向がある。今回はテレコ生地とリブニットのお互い凹凸感のある生地をドッキングした面白みのある組み合わせで企画しました。テキスタイル、縫製共にMADE IN JAPANの高品質・高クオリティなのも妥協が無くて良い。ディティール面では重ね着があまり重く見えすぎないようにスキッパー襟にして、いやらしさのない抜け感を演出しています。こういうレイヤードシリーズの楽さに気づいたらなかなか抜け出せなくなってしまうのでそこだけご注意ください。
GB0126/AC02
Bohemian Drape Boots
私はHead Designer TKのこういう企画が好きなんです。ブーツの紐をぐるぐる巻きにして履きたいけど、かなり手間がかかる。そんな悩みが意図も簡単に解決したこちらのブーツ。内側のタブに紐を通しておけば、あとはサイドジップをおろして脱ぎ履きできるのでぐるぐる巻きの状態がキープされてストレスフリーなアイテムに昇華されました。生地もカウレザーのスエードが採用されていて、高級感のあるヴィジュアルなのも抜け目が無くて良い。デザイン×機能性が良いバランスでマッチした企画になっておりますので、ぜひ一軍メンバーにドラフト指名してみてください。

■Collection Note
私事だが、趣味の飲み歩きが派生してゲストバーテンダーを知り合いのバーで何度かやらせてもらっている。そんな時間の使い方が奏して、今回の展示会でオリジナルカクテルをふるまわせていただくことになったのである。
今季は、稲畑に風が吹いた瞬間の自然への生物的なエッセンスだったり、風が生む独特のシルエットをデザインに昇華したコレクション。その言葉を聞いて自分が思い浮かんだ情景をお酒に落とし込みたいと思い、味だけでなく香りの余韻がコレクションを連想してもらえるよう思考を巡らせた。それで完成したのが"Blow カクテル"だ。それとは別で季節のフルーツをかけあわせたサングリアも用意した。我ながらお酒が好きな方から苦手な方まで幅広くお楽しみいただける2種となった。
服はもちろん、コレクションの香りも体感いただけるのは今週11月16日のみ。そんな特別な機会をぜひ味わいに来ていただき、皆さんと語り合いたいと思っています。
【展示会お申し込みフォームはこちら】※各枠残り僅かとなっております。
■Favorite Items
GB0126/P13
Easy Wide Cropped Pants
glambではクロップドパンツをお客様皆様からリリースの度に好評いただいている。その声を受けて、今季は上品なクロップドを、という思いから生まれた1本。落ち感あるレーヨン混スーツ生地と、抜け感あるクロップド丈が相まって、ドレッシーなストリートスタイルを演出します。しかも、裾にはシルエットに変化を与えるドローストリングも。普段フルレングス一択の自分ですが、これはワードローブに加えたいと思いました。
GB0126/CP03
Reversible Short Brim Cap
どこかのコレクションでも書いたのだが、僕はオンオフ問わずキャップをスタイリングに取り入れることが多い。そんな中でのあるあるが、同じキャップを同じようなスタイリングの時に使いまわしてしまうことだ。それでは、アパレルブランドのスタッフとしてよろしくない、そんな悩みを解決してくれたのが本作。
一見シンプルながら、リバーシブル仕様となっており裏を返すと柄面に変化。外出してから、「あ、頭にちょっとアクセント入れたかったな」と思ってもこれを被っていればもう安心。きっと手放せないアイテムとなること間違いなしです。

■Collection Note
glamb 2026 Spring Collection、楽しんでいただけていますか?
今回のシーズンは、私にとって正社員として迎える初めてのカタログ制作期間、そして三度目の挑戦でした。慣れたつもりでいても、重なるタスクに追われ、気づけば夜遅くまで会社に残る日々。そんな時は、ベランダに出て夜風を感じながら、少しだけ深呼吸をして気持ちを整えていました。
そんな今季のテーマは “Shadow of the Wind”。
忙しない毎日の中でも、glambの服をまとって風を感じ、オンとオフの狭間でふっと心をゆるめる時間を過ごしてもらえたら嬉しいです。
■Favorite Items
GB0126/P01
Whole Dirt Denim
まるで泥で汚れたような質感を演出した、他にはないデザインの一本です。デニムってどこか無難になりがちですが、これは違う。春の装いで一目置かれる存在になるはず。
もし好きな人がこれを履いて現れたら、思わず「なにこのデニム!おしゃれだね!」なんて会話が弾みそうですよね。人とちょっと差をつけたい、そんな方にぜひ試してほしい一本です☺️
GB0126/CP01
Good Luck Cap
ギャンブルのスリルを感じさせる馬とgood luckの刺繍が印象的なキャップです。サイドにはペンやタバコを挟めるホルダー付き! 被るだけで、まるで競馬場に行きたくなるような高揚感ですね。言葉どおり、ラッキーを引き寄せてくれそうな予感がします。ちなみに私は最近競艇にハマっているので、次は Good Luck Boat Cap をぜひ作ってほしいですね(笑)。このキャップを被って、幸運をキャッチしましょう!








