



























学生時代、カナダのレスブリッジという小さな町に住んでいた僕は、
モントリオールにあるファッションスクールに通うために引っ越しを決意した。
必要な荷物をその時乗っていたサターンというマニュアル車いっぱいに詰め込んで、3500kmの旅路をスタートした。
途中の宿泊代を抑えたいと夜中まで運転したのだが、カナダの田舎町には街灯がないため、
先が全く見えない道を進むのがとても怖かった記憶がある。
今思えば、この旅路こそが僕がデザイナーという道を進む具体的なスタートラインだったのかもしれない。
2泊3日かけて到着したモントリオールはヨーロッパ調の大都市だった。
“この町で俺は何者かになるんだ”という奮い立った感情は今でも心に残っていて、
思い出すと、当時のとてつもない希望から起こる鼓動のようなものが懐かしさと共に今でも胸に響いている。
この大きな想いがあったからこそ、20歳の僕が踏み込んだ一本道を17年経った今でも進み続けているのではないか?
果たして、このデザイナーとしての旅路はあとどのくらい先まで続いているのだろうか?
それは進まなければ分からない。
今回コレクションテーマに掲げた“Wandermore”という単語は“Wander”と“More”を繋げた俗語で
“夢を追い求めて旅を続けろ”という意味だ。
夢が大きすぎるがゆえに時に感じる恐怖心や虚無感、
それに対して自分を駆り立てる反骨心の二つが原動力になっている。
きっと多くの人は、何かやりたい事へ向かう時に僕と同じように不安を感じることがあるのではないか?
だからこそ、僕が作る洋服にはそんな人生へのチャレンジャー達に勇気を与えるものにしたい。
ファッションをただの布ではなく、着用者の魔法のマントのような存在にしたい。
聴くと元気が出る音楽のように、誰かの幸せの一部分になりたいと願いをかけながらデザインをした。
ポップなグラフィックはプリント技法に拘っているので実際に見るとワクワクする仕掛けがある。
特徴のある柄使いやユニークなシルエットメイキングは普段と少し違う気分にさせてくれる。
デザインをする上で僕は、他業種の作り手の思考回路を読み取るクセがある。
特に音楽は自分にとっても身近な存在で、
ミュージシャンとのフォトセッションを毎コレクション行っている。
今季、glambが撮影を共にしたのはSaucy Dogの石原慎也さんだ。
僕がファッションに触れるよりも幼いころに音楽に触れ、
大きな舞台に経つ道を進んだ彼の背中はとても偉大に見えて学ぶことが沢山あった。
僕が進む道には、まだまだ楽しいストーリーがありそうだ。
これを読む皆さんの人生という旅路が、カラフルなものになってくれたら僕は幸せです。
Wandermore,
glamb Head Designer
TK